無理なく半年でフルマラソンを完走させるためのトレーニング方法
フルマラソンに出るからには「完走したい」と誰もが思うでしょう。ですが、運動不足や全く練習もしていない状況でしっかりとゴールを潜り抜けるのは非常に大変なことです。また、いきなり激しい運動を行ってしまうと怪我にもつながりますのでお勧めできません。
まずは、徐々にトレーニングを行いながらマラソンで完走できるような体や体力を作っていき必要があります。
仮に、今現在、運動不足でも全く問題ありません。しっかりと練習を積んでいけばマラソンの完走は必ずできるでしょう。この記事では半年後に控えるマラソン大会で完走をするためのトレーニング方法をご紹介していきます。無理なく誰にでも取り組みやすいトレーニングをご紹介していきますのでぜひ実践してみてくださいね。
【基礎知識】マラソンに必要なこと
しっかりとマラソンを完走するためには、基本的に身につけておかなければならないことがあります。もともと走ることに慣れている方であれば良いのかもしれませんが、特に走ることに慣れていなくて、しかも体力がない方はマラソンに必要な基本的なポイントを知っておくべきです。
- 長く走るための体力
- 長い距離を走るための筋力
- 体に負担をかけないためのペース配分
- 効率的に走るための正しいフォーム
- メンテナンスを入念に行う
- スケジュールの管理
長く走るための体力
誰でもご存知かと思いますが、マラソンは想像以上に大変です。なので、ベースの体力がないと完走することは非常に難しいです。そういった意味でマラソンを走るための体力は絶対につけておかなければなりません。
昔、スポーツをやっていてマラソンなんてちょろいと思っていたら、全然歯が立たなかったということもよく聞く話です。まずは体力をつけるということは絶対条件として認識しておきましょう。
長い距離を走るための筋力
当たり前のことですが、マラソンを完走するためには長い距離を走れるだけの筋力(特に脚力)が必要です。どうしても、年をとったり、運動不足だと筋力が低下してしまっているので、まずは長い距離を走る事ができる筋肉作りから始めましょう。
特に、遅筋を鍛えることを意識します。遅筋とは、大きな力を発揮するための筋肉というよりは、長く持続するため筋肉と覚えておきましょう。遅筋を鍛えるトレーニングとしては有酸素運動がそれに当たります。もちろん、ランニングも有酸素運動に含まれており、ある一定以上行えば遅筋を鍛えることができます。遅筋を鍛える事により、長く走れる土台(脚力)を作る事ができるのでしっかりとやっておきたいところです。
体に負担をかけないためのペース配分
マラソンを完走するためには体力も筋力も必要です。それと同様に、自分の走るペースを知ることも非常に重要です。自分に負担がかかり過ぎない程度で走り続けることができれば、マラソンをしっかりと完走することができます。
ですが、勢い余って最初から飛ばしすぎて後半はバテバテで完走できなかった、というケースも多いです。マラソン大会当日は、気持ちが高ぶってアドレナリンが出ているのでいつもよりハイペースで、なんかいける気がします。
ただ、ある時を境に疲れがドッときて足が思うように体が動かなくなっていきます。なので、無理なく走り続けることができるペース配分を感覚的に覚える必要があります。これは、たくさん走って感覚を身につけるものになりますのでぜひ覚えておきましょう。
効率的に走るための正しいフォーム
鍛えた筋肉を効率的に使うには、正しいフォームを身につけることが絶対条件です。フォームがバラバラだったり、汚いフォームで走っていると無駄な体力を使ってしまい疲れやすい走りとなってしまいます。体力の消耗にもつながり、最悪怪我も引き起こしてしまうので注意が必要です。
マラソンを完走するためにはまず正しいフォームから身につけたほうが近道です。
メンテナンスを入念に行う
走るトレーニングを繰り返していると、疲労が蓄積されていきます。マラソンの練習を始めたばかりの頃は、筋肉痛が出たり、炎症を起こしたりするでしょう。筋肉痛や炎症などを軽減するために絶対にメンテナンスを運動前と後に行いましょう。メンテナンスとはストレッチやアイシングのことを指します。
練習前と後にはストレッチをしっかりと行います。そして、練習後のストレッチが終わったら炎症(ひどく張っていたり、痛いと感じる部分)がある場所をアイシングしましょう。
とても些細なことですが、非常に重要なことなので手抜きをしないようにしましょう。
マラソン大会までのスケジュールの管理
目標がないと、人間はなかなか行動を起こせません。なので、マラソンにおいての目標をしっかりと立てることが大切です。もちろん、あなたはマラソンを走り切るという目標があると思いますから、その目標を達成するためのスケジュールが必要になります。
目標設定も大事ですが、同様にそのスケジュールをどうするかを決めることも大切なのでしっかりと立てていきましょう。
例えば、半年後のマラソン大会でしっかりと「走り切るためのトレーニング」を月ごとに決めておくといった形で良いでしょう。こちらは後ほどご紹介します。
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マラソンのトレーニングを持続させるためのテクニック
「三日坊主」という言葉があるように、何かを継続させることはとても大変なことです。時には、トレーニングをサボってしまう時もくるでしょう。そんな時ほど、気持ちを強く持って練習を行っていくことが大切です。とは言うものの、それすら難しい時があります。
こんな際は、継続してマラソンのトレーニングができるように以下のことをやってみると良いでしょう。
- トレーニングの計画を立てる
- 3日以上期間を開けない
- 走る回数を増やす
- どんな時でまずも走る
これは、マラソンのトレーニングを継続させる秘訣になります。まずは、マラソンのトレーニングの計画を立ててどんなペースで本番まで練習を行っていくかを考えていきます。それが決まったら、あとは常に行動するだけです。
最初の頃は、多くの練習をする必要はありません。それ以上に、継続して練習する習慣を作ることのほうが大事です。なので、「練習間隔を3日以上あけない」「どんな時でも走る」というように、走るということを1つの習慣にできるようにしましょう。
習慣がしっかりと身につけば、そんな難しいことではなくなりますよ。
マラソンに必要なトレーニング
ここまで、マラソンをしっかりと完走するための必要情報を書いてきましたが、ここからは実際のトレーニングについてご説明していきます。
今回は、半年後にマラソン大会を控えている方を対象としていますので、半年後までに行うべきことを各期間ごとに書いていきますのでぜひ実践してみてくださいね。また、半年という期間がなくても参考となりますので、早速詳しく見ていきましょう。
【マラソン完走】基礎トレーニング
期間:1~2ヶ月目
内容:基礎トレーニング期間
- 走るフォームを作る
- 基礎体力作り
- ジョギングを始める
- 練習の半分の時間をストレッチに使う
マラソンの練習を始めた1~2ヶ月目の頃は、基礎的な部分を鍛えていくことが重要です。とても地味でつまらない時期になることが予想されますが、頑張って乗り越えましょう!
走るフォームを作る
人により正しいフォームはそれぞれですが、これだけは外していていけないことがあります。それは、スムーズな重心移動です。重心移動とは、歩いたり走ったりするときに自然と起こる”身体の中心”が動くことです。その移動を出来る限りスムーズに行うことが大事。
極論を言えば、上体が上に上がらず前だけに、ボールを転がすかのように進むことです。一流であればあるほど、無駄な移動は少ないと覚えておいてくださいね。
こんな難しいことできないよ、と思われるかもしれませんが、たった一つの意識で劇的に変えることができます。その方法は、正しい姿勢で、前に身体を傾けるだけです。立位状態で足を骨盤幅に開きます→へそを少し凹ませ頭を前にお尻を後ろにします→かかとが浮かない程度につま先に体重をかけます→その姿勢を崩さないように腰の位置を前に倒します→勝手に前に走り出してしまいます
というように重心移動だけで人は走り出してしまいます。ブレーキをかけるようにつま先で、突っつくようにするのではなく、上から地面に足を乗せるようにできれば、OKです。
後は、スムーズな重心移動を極力消さないように、腕振りを足に合わせるように振り、呼吸も足音と腕振りに合わせられば十分です。長く走ることに関しては、無駄なことをしないことが大切です。長くではなく、さらにタイムを縮めるにはには、様々な動きを足していかなくてはならないので、それだけ難しくなっていくわけです。
基礎体力作り
運動不足や筋力が低下してしまっていると、どうしてもマラソンの完走は難しいです。なので、走るフォームを鍛えるのと同時に、ベースの筋力などの体力面を鍛える必要があります。
一般的なトレーニングとしては、腹筋、背筋、スクワットの3つがもっとも取り組みやすいかと思います。この3つをしっかりと行っていけばある程度ベースの基礎体力は向上させてることができます。トレーニングのやり方などの詳細は別記事で記載していきます。
ジョギングを始める
マラソンじゃなくて、ジョギング?と思われるかもしれませんが、運動を開始したばかりの頃はあまり無理をしてはいけません。なので、ガンガン走っていくというよりは軽いジョギングのような感じで走っていくことをお勧めします。心肺的にきつくなるほど走るのではなく、気分がよくなる程度の速さで構いません。
初期の段階は、やりたい気持ちを抑えて、無駄に走らないことが大切です。前述にもあるように怪我をするリスクが高くなるからです。もし短距離走を始めようとするならば、1日で挫折することは日常です。皆さん頑張りすぎて、すぐに肉離れなどの怪我をおこします。ただゆっくりのジョギングであれば、リスクは大幅に軽減するので、適度にやりたいところです。ただし闇雲に走れば、下腿の筋肉や関節の障害が起きやすくなるので、まずは基礎体力作りを目指しましょう。
練習の半分の時間をストレッチに使う
柔軟性を高めることは、どんな状況においても大切です。ですので、最初の頃は練習の時間の半分くらいをストレッチに使うくらいのイメージで構いません。
ストレッチと言っても、筋肉を伸ばすことになるので、見方を変えれば筋トレの一種です。ただ学校でやるようなストレッチを座ってやっていても、走ることに繋がりません。初期の初期はお風呂上りに、座ってストレッチで良いですが、1週間過ぎてからは、ストレッチを体操を交えた動体操をお勧めします。私の考える動体操は、柔軟性強化、筋力強化、技術力強化を一つで行えるものですので、しっかりやりこみましょう。
ストレッチを行い、柔軟性が高まれば「ゲガの防止」「パフォーマンスのアップ」の2点につながります。
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【マラソン完走】強化期間
期間:3~5ヶ月
内容:強化期間
- 走る時間を伸ばす
- 走るトレーニングの強度を高める
- インターバル走を加える
この期間は、マラソンでしっかりと完走できるように鍛えていく期間になります。前の基礎トレーニングの期間とは異なり、あなたの能力を高めていく期間となりますので大変ですが、頑張っていきましょう。
走る時間を伸ばす
マラソンはかなり長い時間を走らなければなりません。マラソンを完走するためには。ある程度、長く走れるように「走る」という動作を身体に染み付けなければなりません。
本番は、42.195キロですので、完走する(最後まで歩かない)ことを考えると最低でも30キロは走り続けられないと本番に不安が残ります。最終的には、連続30キロ走が必要です。強化期間前半は、休憩をとってもよいので、10キロ×3セットのように、負荷を下げ取り組むことも大切です。何より距離を踏むことです。
そのためにはやはり長く走る訓練を行うしか方法はありません。もちろん、いきなり何十キロも走れという事ではないですが、少しずつ走る時間の長さを伸ばしていきましょう。継続して走る長さを伸ばしていけば、長い時間を走っても苦にならなくなります。
走るトレーニングの強度を高める
長い距離を走ることに慣れてきたら、次は強めに走っていくことです。強めとはどうゆうことかというと、走るペースを早めていくということです。いわゆる、「息が苦しいな」というくらいのペースです。
どうしても、ずっと心地よいペースで走っていても、マラソンを完走できるほどの体力はつきません。ですので、1週間に2回くらいはハイペースでのランニングを行なっていきましょう。そうすれば、見違えるように走る能力が身についてくるはずです。
練習計画は、強度の波を作ることが大切で、ロングジョグが弱とするなら、ハイペースの練習を強とし、連続できつい練習が続かないようにしましょう。怪我をしないためです。怪我をすれば、積み重ねが崩れることだけでなく、練習ができなります。最優先にすることは、闇雲に頑張り自分を高めることではなく、怪我をしない範囲で適度に頑張ることです。決して妥協ではなく、長い目で見て最良の選択になります。
インターバル走を加える
ランニングなどの有酸素運動を継続的にやっていると、筋肉がランニングするための動きに慣れてしまうためあまりオススメできません。
ちょっと難しいお話をすると遅筋だけが鍛えられてしまい、速筋が鍛えられないため走るスピードを上げずらくなってしまいます。なので、ランニングしたら、ダッシュなどをして速筋も鍛えるようにしておきましょう。
速筋は基本的には、瞬発力を必要したトレーニングをすることで鍛えることができます。
*遅筋とは、有酸素運動などで鍛えられる筋肉。速筋は、早い動きをすることで鍛えられる筋肉。
マラソンブームの時代に、インターバルトレーニングは注目されてきています。上記の理由の通り、ゆっくりだけでなくハイスピードを入れることは重要です。また短距離走のようなハイスピード練習を取り入れると心拍数の急激に高まります。
あえて不規則なスピードの変化をつけることが負荷となり、身体を強くしてくれます。練習計画のイメージとして、長く走り負荷を上げるか、距離を減らしスピードを上げ負荷を上げるか、さらに距離を減らしさらにスピードを上げ不規則なペースで負荷を上げるか、このように練習には、料理と同じように味付けを変える必要があります。いかに身体に飽きさせないかがポイントです。
ポイント
長い距離を踏むことで自信をつけることが大切です。練習の味付けを変え、身体に慣れさせないことも重要です。この期間は、身体への負担も増えてくるので、強度が高い練習を連続して行わないように気を付けましょう。また、身体のケアをしっかりおこない、怪我の予防をしてください。
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【マラソン完走】調整期間
期間:残り1ヶ月
内容:調整期間
マラソン大会まで残り1ヶ月を切った時に行うトレーニングになります。最後の1ヶ月なのでガンガン練習をして追い込みをした方が良いと思うかもしれませんが、ラスト1か月は、体を休めたり、柔軟性を上げて怪我をしないように調整をしていきましょう。
- 栄養の高い食事を心がける
- ストレッチを多めに行う
- 強度が高いトレーニングは1週間に一度にする
栄養の高い食事を心がける
ラスト月に限らず、常に意識してほしいことですが、栄養満点でバランスの良い食事を心がけましょう。どんなに頑張ってトレーニングをしても、栄養がなければそれらは報われません。しっかりと栄養を摂るからこそ、あなたの頑張った成果が活きるわけです。
ですので、栄養バランスに特に意識をおいて食事を摂るようにしていきましょう。
ストレッチを多めに行う
この時期になると疲れがかなりピークにきているはずです。なので、無理して走ろうとはせず、休養を摂ったり、ストレッチなどを行うようにしましょう。この期間に無理をして怪我をしてしまっては非常にもったいないです。
なので、レースが近づいてきているからといって焦らず、柔軟をしたり、メンテナンスをすることに重点をおきましょう。
強度が高いトレーニングは1週間に一度にする
まったく走らない状態では、身体も心肺機能もなまってしまうので1週間に1回くらいは強度が強いランニングをしておきましょう。ただ、あくまで自分の無理をしない程度にです。頑張ってトレーニングをしても短期間で劇的に変わるものではありません。なので、ほどほどにやっていきましょう。
ポイント
身体のメンテナンスに時間を割くことが大切です。身体の疲労は目に見えず、思ってるよりも疲れています。ストレッチやマッサージを多く取り入れましょう。週に一度、レースに近い環境で、模擬レースをするつもりで集中した練習ができれば十分です。不安かもしれませんが、この時期のやり込みは逆効果なので、強化期間に距離を踏めたことに自信を持ち、回復に努めましょう。
まとめ
今回は、マラソンに必要な事から期間別のトレーニングを紹介してきましたが、いかがでしたか?マラソンを完走することは非常に大変なことですが、しっかりとトレーニングを積んでいけば必ずできます。
体力を上げることだけに目が行きますが、一歩の消費エネルギーを下げることが大切です。少ないガソリンで、多くの距離を走れる、優れたランニングフォームを身に付けましょう。
まずは、マラソン大会までの期間を逆算をしてみて、あと何日間あるのか計算をしていきましょう。その上で、ご紹介してきたトレーニングを行っていくと非常にスムーズにできるはずです。
また、期間別のトレーニングのご紹介をしましたら、より詳細のトレーニングメニューに関しては今後記載していきますので楽しみにしててくださいね。
【短距離走の走りもチェックしましょう。】
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