小学校低学年までは足が速かったのに、急に足が遅くなった原因は?をリアルに解説
昔は学校で一番足が速かったのに、今はそれほど速くなくなってしまった、または遅い方になってしまった。しかも継続して努力はしているのに、足が遅くなった理由が全く分からない。こんな悩みをもった子供たちが、今多くなっています。この記事を書いた理由は、巷には足が速くなる方法は沢山出回っているのに、足が遅くなった原因が明確になっていないものばかりだったからです。実際にその症例を改善してきたプロランニングトレーナとして、リアルに解説していきます。
まずは、皆さんが既に調べていると思われる当たり前の理由を紹介していきます。
足が遅くなった一般的な理由
私としては、当たり前の理由ですが、既にインターネットでも調べることのできる内容を念のためご紹介します。
- 成長期が早かった
- 骨格の成長に筋肉の強さ(筋力)が追い付いていない
- 速くなった子供に比べて運動習慣が少なくなった
多い意見としては、こんなものでしょう。
確かにこのような理由で、足が遅くなることは実際にあります。
一つ一つ超簡単にざっくり解説していきます。
※その他にも、『足の回転が遅いから』とか『一歩が小さいから』などありますが、これは足が遅い理由なので、割愛します。これを知ったところで改善する方法にはなりません。どうして遅くなったのか?が大切です。
成長期が早かった
小学生に関しては、それだけの理由で足が遅くなったとは判断できません。
特に高学年から急に足が遅くなったとなると、当てはまりません。
※中学生以上には、特に当てはまります。【中学生以上の専門競技者は、こちらもお読みください。】
骨格の成長に筋肉の強さ(筋力)が追い付いていない
確かにありますが、原因は?たまたま成長のタイミング?強くするしかないよね?何すればいいの?どうして筋力が足りないと遅くなるの?自分もそうなら他の人もそうなるよね?
突っ込みどころ満載なので、何をすればよいのかわかりません。
皆さんが何をすればよいのか明確でないものは、理由としては不適格です。
しかし何か重要な問題が隠れていそうです。
速くなった子供に比べて運動習慣が少なくなった
これもありますが、じゃあ運動すればいいよね?
となるので、これだけでは改善方法が漠然とし過ぎです。
足が遅くなった理由をもっと深堀する
まだまだ確信に迫っていませんが、上記3つの理由をもっと深堀すると、最後にお伝えしたい内容が理解しやすいので、もう少しお待ちください。
成長期が早かった⇒を深堀する
ずっと足は遅かったけど、高学年から急に足が速くなったケースはよくあります。
しかし、成長期のタイミングで足が遅かった子供が、高学年から学校で一番速くなるようなケースは極稀であることは忘れてはいけません。
裏を返せば、小学3年生で一番足が速かった子供が、高学年でいきなり下の方になるなどは、普通ではありえないことと覚えておいてください。
基本的に、足が速かった子供は、最後まで足は速いのです。これは遺伝であり、生物学的に覆せない筋肉的才能によるものが強いからです。
ただし、例外は存在するのです。そこに皆さんが一番知りたい答えがあります。
まだ焦らないで、次の事例を考えていきましょう。
骨格の成長に筋肉の強さ(筋力)が追い付いていない⇒を深堀する
子供は皆成長するので、自分だけそんなことになるなど、普通では考えられません。
今まで足が一番速かったのに、急に真ん中位になるなんて、ありえないよね?
このお気持ち非常によくわかります。
しかし、この事例は下記のタイプには当てはまります。
- 元々背が高く、さらに急激に身長が伸びた時期があった
- 細かった身体が急に太くなった
このようなケースは、実際に足が遅くなる可能性が高いです。
そのまま放っておけば、今までの足が速かったことはなくなりますが、大抵の場合は時間と共に戻ってきます。
いつまで経っても戻らない場合は、完全に身体のバランスを崩したことになります。
これを戻すには、それなりの努力が必要です。
この事例は、最後にさらに深堀していきます。
速くなった子供に比べて運動習慣が少なくなった⇒を深堀する
このケースは、深堀しようがないと思われますが、実は裏側から見る必要があります。
まずは普通に正面から見ると、運動習慣に差があれば、向上する筋力に差も出るので、下から抜かされることもあるでしょう。
しかし、裏側から見ると、運動習慣が多すぎて、足が遅くなることがある、これも事実なのです。
運動習慣が少なすぎても、多すぎても、足は遅くなります。
大切なことは、バランスです。
やり過ぎるとバランスを崩し、頑張って努力しているのに気づいたら足が遅くなっていることになってしまうのです。
ヒーローズスキル独自の足が遅くなったリアルな原因を知る
これまで、色々お話してきましたが、足が遅くなった原因に【たまたま】はありません。悩んでいるほとんどの人は、そのたまたまを知らないので、仕方ない、とか、練習するしかない、など漠然とした選択をしてしまいがちです。その選択がそれこそたまたまその人に適していれば、復活できるチャンスはありますが、そんなギャンブルのような選択は未来ある子供たちにふさわしくありません。では、リアルをお話しします。
足が遅くなる身体のバランスを知ること
答えは、身体の上中下のバランスです。
まず、上半身、胴体、下半身、と身体を3つに分けて考えてください。この3つの強弱が整っていれば、足は速いです。
圧倒的に多いケースは、下半身のみ強くなりバランスを崩すケース(洋なし型)
次に多いのが、胴体の強さが間に合わず、足に振り回されるケース(ひょうたん型)
整っている身体は(だいこん型)
進みやすい身体は(いちご型)
これらの型は、太い細いもありますが、強い弱いの話なので、誤解のないようにしてください。
どうして足が遅くなったのか?を〇〇型を例に考える
洋なし型の原因は、過度の練習、足を使うことばかりやり過ぎたから、または肥満傾向などです。
スポーツを頑張っているのに足が遅くなったケースは、大半が足を速くしたいからといって走り込みを多用しすぎ、脚の筋肉ばかり強く太くなってしまったからです。
このようなやり方をすると、バランスを崩すだけでなく、骨盤の柔軟性を失い大きく動けなくなったり、怪我をしやすい身体になってしまうというデメリットも出てきます。
『足を速くしたいから、沢山走って足を強くした』間違っていないようで、間違っている例です。
走って速くなる身体もあれば、そうでない身体もあります。
統計的に80%が走っても速くなれない身体です。最初は速くなりますが、後々デメリットが出てくるので注意が必要です。
洋なし型であれば、今すぐ走る練習を中断しましょう。
※自分が何型かを知りたい方は、メルマガに登録して配信内容をご覧ください。
ひょうたん型の原因は、急激な成長に身体の中心部が足の重さ、長さに耐えられなくなってきたから
足は長いが有利と思われがちですが、実はそうでもありません。
長いバットと短いバット、同じ重さでもどちらが振り回しやすいか想像すると分かりやすいです。
さらにもう一つ、風車があったとして、羽が大きく回転が速ければ速いほど、土台となる柱が強くなければ、土台丸ごと崩れてしまいます。
このような現象が走ることには、起きています。
上半身や下半身の力が強いほど、胴体の強さも必要になります。
振り回せるだけの強さがあれば、長いものの方が有利です。
しかし扱えるようになるまでの努力は必要です。
背の高い人は、苦労が多いのです。なので、安易に『いいなぁ足が長くて』なんか言えませんね。
だいこん型は、整っていますが、良い方向悪い方向にもどちらにでもなり得る状態
足を速くするには、バランスが整っているほど有利です。
だいこん型は、ひょうたん型の胴体がしっかりしている状態です。
まずはこの状態を基本として、取り組んでいる競技に適した身体を作っていきたいです。
しかし注意してほしいこともあります。
それは、この状態から足ばかり鍛えていけば、洋なし型へ傾いてしまいます。
そうならないために、努力する方向が重要となってきます。
いちご型は、上半身主導型(ミゾオチ人間)を作り、うごきの天才を作るために必要です
いちご型は、移動のスペシャリストになれる可能性があります。
4つの形を想像して、もっとも前に倒れやすい形は、上が大きく下が小さいものです。
重心が下の方にあれば、地面から離れにくく、上の方にあれば離れやすい、そんなイメージをすると分かりやすいです。
特殊いちご型に要注意
稀に型は非常に良い状態でも、重心だけとても下にある特殊ないちご型の例があります。
この事例は下記のような場合に良く起きます。
- 高校生以上の身体が出来上がっている
- 一時はかなりの実績を誇ったが低迷している
- 怪我があり元の良い状態に戻らない
- ウエイトトレーニングの意識が競技に合わなかった
- 下半身に特化した練習が多かった
このようなケースに多いです。
通常のいちご型に戻せるように重心操作トレーニングを行っていけば、一日で感覚が戻る人もいます。
何かよくわからないけど、感覚がおかしいという人は、重心の位置、重心の向きを疑ってみてください。
熟れた赤々としたいちご型に戻れば、悩みも半分以上は解決するでしょう。
まとめ~結局どうすれば
足が遅くなった理由は、明確にあります。たまたまなどはありません。
ここで上げた理由以外にも沢山の事例がありますが、ここではケースが多すぎて人によることもあり、残念ながら書ききることができません。
例えば、走り方をつま先で走れなどといって、無理やり動きを変えてダメになることもあります。
自然体から外れるほど、人のバランスは悪い方向に崩れていきます。
大半の事例は、上中下のバランスを整えて、元々のだいこん型に戻していくと治まってきます。
バランスが崩れるほど、直す時間もかかります。
洋なしを超えて、かぼちゃのように下に広がってしまえば、並大抵の努力では改善できません。
足が遅くなった理由を徹底解剖 中学生以上の専門競技者が陥る走り込みの恐怖