怪我改善パーソナル指導〔捻挫〕

2019年6月14日

捻挫に悩み続けている方へ

捻挫して、治して、また捻挫して。。。

何回同じことを繰り返しましたか?もし同じことが何度もあるようであれば、今後も同じことが繰り返されることは間違いありません。

怪我は、治すのではなく、直すことが大切です。

直すとは、元々の良好な状態に戻すことを意味します。個々の様々な経験から癖づいた動きを適正な動きに戻し、負担の少ない使い方をできるようすることが重要です。

捻挫は、負荷の逃げ道を作ったり、そもそも負荷を吸収する部位を変えるだけで、抑えることができます。

捻挫をする人の共通項、しない人の共通項がわかっていれば、難しいことではありません。

捻挫をするから、足首を鍛えようとか、足首を柔らかくしようとか、いくら考えてもそれでは足りず、根本的な問題解決にはなりません。

怪我は根本から見直しましょう。

はじめに

捻挫は、球技スポーツに多く見られる症例です。

また、怪我全体をみても下半身の怪我では最もメジャーだと言えます。

つまり、選手でも小学生でも競技中でも日常でも誰でもいつでも起こりうる怪我だということです。

ここでは足首に着目していますが、手首や首など様々な部位の捻挫があります。これからお話するのは、足首の捻挫です。

球技スポーツにおける捻挫は、左右の急激な変換が多いものほどリスクは高いです。

また、路面の状況やコンタクトの際に足首をロックされるなど、注意しても回避できないものもあります。

ただし仮に怪我をしたとしても、軽度に抑えることは可能です。

陸上競技においては、片足で強く踏み切る場面や片足で着地する場面で多く見られます。

一番多いのは、様々な練習をしている時のアクシデントによるものです。

注意していれば回避できるものが多いですが、熟練度が低い状態で複雑な動きをすると危険度が増すので、やり方をきれいにしてから取り組むようにしましょう。

私の怪我に対する考え

怪我は自ら回避できる。

怪我をするにも理由がある。

怪我をしにくい身体を作る、怪我の少ない走り方を学ぶ、この考えこそ、ヒーローズスキルの根源なのです。

足を速くすること=怪我の少ない走り

一つを正しく追えば、全てが繋がってきます。自分の身体を大切にし、長いスポーツ生活をおくれるように頑張りましょう!

こんな症状ありませんか?

  • 歩いている時に足首に激痛が走る
  • 歩くことが出来ない
  • 歩けるがいつも通りに歩くと足が痛い
  • 足が最後まで後ろに押し切れない
  • ジョギングして足がついた時に痛い
  • 屈伸で一番下までできない
  • 足首を内側に捻ると痛みがでる
  • ある程度スピードを上げて走ると痛みが出る
  • 全力疾走すると足が痛い
  • 足首を回すと痛みがです

上記のチェックリストに多く当てはまっている方は、既に軽度の捻挫以上である、もしくは捻挫悪化リスクが高い状態にあるので、メンテナンスを行う必要があります。

なんで捻挫になるの?

捻挫とは、ざっくり説明しますと、過度に捻って関節を覆うようにある靭帯や腱や骨を損傷する怪我です。

靭帯は、ほぼ伸縮性がないので、強い負荷がかかると無理やり伸ばすことになってしまいます。伸びないものを伸ばせば、痛みが生じますし、断裂すれば関節を固定できなくなり、歩行もできなくなります。

症状は3段階に分けられ、靭帯が一時的に伸びた状態、靭帯の部分断裂、靭帯の完全断裂、その他にも剥離骨折などの骨折の可能性も出てきます。

どの症状も、関節に過度に負担がかかり起こるものですので、アクシデント要素が強い怪我と言えます。路面の状況を確認したり、注意するだけでも怪我のリスクは、かなり下げられます。

またウォームアップで足首のストレッチを行っていれば、怪我のリスク軽減にはなりますが、前述した通り、靭帯に柔軟性はほぼなく、柔軟性を高めたとしても怪我を回避することは難しいと思われます。

捻挫時の処置

軽度

-症状:走ろうと思えば走れるが、走った後の痛みは強い

-期間:2週間

-処置方法:痛みが出る運動は極力避け、RICE処置を行う。日常生活は固定して過ごしましょう。走る以外の運動で痛みを感じなくなったら、足首を積極的に動かしていきましょう。まずは片足で身体を支えられることが走る前の目安です。

【コメント】私は、捻挫に軽度の症状はないと考えています。直し方を間違えると関節を固定する靭帯の機能を低下させた状態で完治してしまうため、どんなに軽い症状でもしっかり固定して直すことをおススメします。

 

中度

-症状:走れない、ジョギングも厳しい

-期間:1ヶ月程度

-処置方法:痛みの出る運動は全面的に避け、回復に徹すること。基本のRICE処置を行い、熱を感じなくなったら、温めましょう。ある程度、走るのに問題がない状態になったら、少しずつ足首を動かしていきましょう。

【コメント】固定を忘れないこと。中途半端な回復状況で練習を再開すれば、再発の可能性が高くなります。足首は、地面に接している唯一の場所です。軽度も中度も、固定の必要性は同じです。

 

重度

-症状:歩行困難

-期間:2ヶ月程度

-処置方法:歩けるようになるまでは、RICE処置と温熱療法を行います。回復に徹して日常生活に支障がない程度まで我慢しましょう。その後は、足首のストレッチから徐々に始めましょう。

【コメント】足首の捻挫全般にいえることですが、捻挫だから大丈夫とか、少しくらいの痛みなら大丈夫という判断は非常に危険です。下記に捻挫の本当の怖さを記載しますので、ご覧ください。

捻挫をする人の特徴

関節の柔軟性が悪い

足首の怪我だから、足首の柔軟性を高める。一見正しい判断のように思えますが、私はそう考えていません。捻挫をしたくないなら、股関節の柔軟性を高めることが先決です。足首の負荷を股関節が逃がしてくれるようになります。イメージとしては、足首だけで転ぶから負担が大きい。足首+αで転べば、分散できますよね。

衝撃を足首のみで受けている

左右の衝撃、上下の衝撃、細かく分ければキリがありません。重たい身体を小さな足首だけで支えようとしては、負担が大きくなるのも当然です。より大きな関節、大きな筋肉で受けてあげれば、負担を減らすことができます。上記の柔軟性を高めたうえで、大きな関節で受け止める技術を学ぶ必要があります。

体幹が弱い

ざっくり言えば、不安定なものほど支えることが難しいということです。足首は地面に接地する関節であり、揺れの影響を一番受けてしまいます。積み木を思い浮かべて頂ければ分かりやすいですが、上が揺れれば下が崩れます。つまり、下半身と上半身の繋ぎ目が弱ければ、上半身の悪い動きが下半身に伝わってしまい、ふらついた接地になってしまうということです。

足首の使い方が未熟

足首の扱い方を考えたことがありますか?地面に接する唯一の場所ですので、重要度はかなり高いです。足首を上手に扱えるようになれば、単純に足も速くなります。イメージとしては、足がつく直前の最後のまとめに必要な能力です。足首は、脱力したり、瞬間的に緊張させたりと、やることが沢山あります。

捻挫をそのままにしておくと本当は危険

捻挫の落とし穴

捻挫の痛みはそこまで長く続きません。また復帰も早く重度な怪我とは判断されにくいです。ここに大きな落とし穴があり、もうできると勘違いしてしまい、早期に練習を開始してしまうことが問題なのです。捻挫は、痛みが無くても、靭帯がまだ緩んだ状態にあり、完治の判断が難しいです。どんなに軽い症状でも、痛みがなくなってから1週間は足首に負担のかかる運動は避け、リハビリ期間を設けるようにしましょう。

捻挫は身体の注意サイン

捻挫に限らず、怪我のほとんどが、『あなたの身体と動きに不自然さや過負荷がある』と教えてくれているのです。アクシデントでは、どうにも対処できませんが、競技中の怪我であれば、ある特定の動きで負担がかかっていることは明確です。上記で記載したように、捻挫に軽度はなく、取り返しのつかない状況になり兼ねません。このサインを素通りするかしないかで、今後の競技生活を円満に送れるか否かが決まるといっても過言ではありません。

捻挫の影響

捻挫の恐ろしさは、怪我自体というよりも、回復してからの競技生活に影響が出ることです。関節が緩んでしまうと、力強い動きがしにくくなります。陸上競技においては、足首の固定を強くしただけで、走力が上がったり、跳躍距離が増えたという実例もあるくらいです。競技パフォーマンスを低下させないためにも、軽度であれ注意して処置をしてください。

私の経験談

捻挫を軽度と判断し、的確な処置を怠った場合、将来に影響する代償を支払うことになります。

実は私もその経験者なのですが、靭帯完全断裂の重度の捻挫を患ってしまいました。寝ている時に足首が抜けて激痛と共に起きてしまうくらいです。

当時は知識がなく、固定をせずにやれる練習を行った結果、常に足首が緩い状態にあり、医者の判断では筋力が衰えたら歩行が苦しくなると言われています。これだけでもかなりの代償ですが、競技者としてはもっと重大な代償があります。

それは、足首を意識的に固定しにくくなり、歩行のバランスも崩してしまったのです。

つまり走ることもバランスを崩し、骨盤のバランス肩甲骨のバランスまでも、崩すことになります。地面に接する大切な関節だからこそ、崩れれば上に乗っかっている全てのものにも影響があるのです。

捻挫に軽症はありません。

捻挫をしにくい身体の使い方を覚え、足首の負担が少なくなるように取り組んでいきましょう。

仮に捻挫によりバランスを崩してしまっても、適切な方法で戻していくことは可能です。